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孫正義SoftBankAIASI書き起こし

孫正義 SoftBank World 2026 特別講演 全文清書 ― 時間がない人のための書き起こし

YouTubeで公開され、経営者やエンジニアの間で話題になっている、ソフトバンクグループ 孫正義 会長兼社長の「SoftBank World 2026」特別講演です。1時間近い内容で、通しで観る時間が取りにくいという声も多く聞かれます。

この記事は、時間がない方が講演の主張を短時間で把握できるように、講演音声を文字起こしし、AIで聞き取り誤りを補正・整理して読みやすく清書したものです。段落構成と見出しはこちらで付けていますが、発言の趣旨は変えていません。

読む前の注意

  • 内容はチェックしていますが、話者の意図を完全に汲み取れているかは保証できません。文字起こしの誤認識、文脈の取り違え、ニュアンスの欠落が残っている可能性があります。
  • 数字や主張を正確に把握したい場合、意思決定の根拠にしたい場合は、必ず元動画を視聴してください。この清書はあくまで概要をつかむための補助資料です。
  • 元動画のリンクは記事末尾に掲載しています。

経営者にとって最も大切なもの

皆さん、おはようございます。今日お集まりの皆さんは、ほとんどが大企業の社長や経営幹部・役員の方々です。

経営者にとって最も大切なことは何か。私が思うのは、ビジョンと戦略です。

日本の経営では、社長就任の挨拶で「人の輪」「和をもって貴しとなす」という言葉がほとんど必ず出てきます。しかしアメリカのトップでそれを語る人はほとんどいません。要するに、大切とされていることの順番が違うのです。

いくら人が仲良く、和をもってやっても、船が丘の上に乗り上げてしまえば、その船全体がとんでもないところへ行ってしまう。やはりトップにとって一番大切なのはビジョンであり戦略ではないか、と思うのです。


ビジョンは「期限」と「数字」で語る

ビジョンや戦略を語るとき、なんとなく漠然と話す人がいます。「AIは大切だ」「これからAIの時代が来る」と。では、どのくらい来るのかと聞かれると、「たくさん」「すごく」といった形容詞になってしまう。形容詞になった途端に、鮮明なビジョンではなくなります。鮮明なビジョンがないと、戦略は立てづらいのです。

そこで今日はあえて、輪郭のはっきりした期限と数字を持って、私なりの意見を申し上げたいと思います。


インターネット革命の教訓

インターネット革命は1995年に始まりました。最初の頃、特に日本では「ものづくりにこそ日本の経営の魂がある」「インターネットなど仮想の世界の話だ」と言う人がたくさんいました。

しかし今、世界経済のトップを引っ張っているのは、ほとんどがインターネットを生業とする会社です。世の中は完全に変わりました。当時は「ビジネスモデルがない」「バブルだ」「お金は稼げない」と言われた。ところが今、そのインターネット企業はものすごい勢いで稼ぎ、キャッシュフローを生み出しています。

今まさにAI革命が始まったばかりです。日本経済は、インターネットのときと同じ失敗を繰り返さないほうがいい。私は心の底からそう思います。

インターネット革命でもそうでしたが、最初の20年でほぼ勝負は決まりました。GAFA、Microsoft、Amazon——最初の20年以内にトップのポジションを取れなかった会社は、その後もずっと取れていません。

AI革命が始まって数年が経ちました。そこで今日は、15年先の2040年のAIの世界について、数字を持ってコメントしたいと思います。


2040年、ASI(超知能)経済の規模

2040年、ASI(Artificial Super Intelligence=人工超知能)のエコノミー。スーパーインテリジェンスの世界がどのようにやってきて、どのくらいの規模になり、どういう形になるのか。

この超知能革命は、人類史上最大の産業になります。

私の頭の中には明確な数字があります。**世界のGDPの約20%**が、このスーパーインテリジェンスの世界に置き換わります。

「なんだ、15年で20%か」と思うかもしれません。残り80%は、今までの生活・産業とあまり変わらない。15年後もハンバーガーは食べているし、うどんも食べている。週末は公園に行く。インターネットが出てきても急にハンバーガーを食べなくなったわけではないのと同じです。

しかし、この20%という数字がどれほど大きいか。年間売上7,000兆円になります。しかもその利益率はおそらく50%近く。毎年3,500兆円もの利益を稼ぐ企業がいくつか生まれるということです。

株式時価総額で言えば、GDPに占める割合は20%でも、時価総額ではおそらく80%くらいになる。時価総額は利益の倍率に、さらに利益の伸びを掛けて評価されますから、GDP比よりはるかに大きな存在感を持つことになります。

インターネットは、世界のGDPのわずか1%である「広告」の世界を置き換えたに過ぎません。それでも、その企業群が富の大半を持つようになった。AIは20%を置き換えていく。ものすごいことになります。


AIエージェント100兆個の時代

最近「AIエージェント」という言葉がどんどん語られるようになりました。私はちょうど1年前、このSoftBank Worldで「AIエージェントが概念として一気に広がっていく」と申し上げました。まさにそうなってきました。

AIエージェントはどのくらいの数に広がるか。私は100兆個クラスの規模に行くと思っています。

この数字が意味することは何か。私たち自身や社員が行っている仕事は、たいてい10個や100個くらいの繰り返し作業(ルーティンワーク)です。1,000種類のタスクをこなしている人はあまりいません。一般の社員は、せいぜい100種類くらいのタスクを繰り返し専門的にこなしている。

100兆個のエージェントが地球上で24時間休まず動き、しかもエージェント同士がコミュニケートする。これまで人間と人間がコミュニケートしていたのが、今度は100兆のエージェントが残りの100兆個のエージェントとやり取りする。インテリジェンスのやり取りの度合いが、人間中心の世界からエージェント中心の世界になるのです。

「エージェントはコンピューターを使うだけだから、人間の頭数を超えて物事が進むわけがない」と言う人がいますが、とんでもない間違いです。エージェントは自らの判断で、自らアクションを起こし、自らコミュニケートして進めていく。もはや人間中心の社会ではなく、エージェント中心の社会になると思ったほうがいい。そうすると世の中の景色は完全に変わります。

「それは仮想空間の中の話だ」と言う人もいます。では、それがヒューマノイドに宿ったらどうなるか。物理的な世界(アトムの世界)で、エージェントを宿したロボットが、自らの判断で、自らコミュニケートし、残り100兆個のエージェントと会話しながら動くようになる。

つまり、膨大な規模のインテリジェンスがデータセンターで処理されるようになります。


「AIはバブルか」は愚問

「AIはバブルか」——とんでもない愚問です。そう質問する人は、そもそもAIの本質をまったく分かっていない。「AIなんて」と言う人に限って、AIをほとんど使ったことがない人です。

飛行機に乗ったことがない人が飛行機を語る。自動車に乗ったことがない人が自動車を語る。インターネットの初期も、触ったことがない人がインターネットを語って非難していました。

私は朝から晩までAIを使っています。朝起きて最初にAIに触れ、寝る直前までAIに触れている。

これからのロボットが、これまでのロボットと決定的に違うのは——これまでのロボットは人間がプログラムし、人間が命令する、人間にとっての道具でした。ところがこれからのAIロボット、特にヒューマノイドは、自らの判断で物理世界に動いていき、アクションを起こす

それが10億体生まれる。9億かもしれないし、20億かもしれない。でもそれは誤差です。ビジョンや戦略にとって大切なのは「アバウトどのくらいか」でスケールをイメージすることです。

10億体のヒューマノイドは24時間動けますから、人間に直すと30億人相当の仕事ができる。しかも人間よりはるかに速く、正確に、緻密に、賢く作業できる。働きの度合いとしては1体で10人分ほど。つまり100億人相当の仕事をすることになります。

地球上には今70億人いますが、子どもや高齢者は直接労働していないことが多い。実際の労働人口は30億人くらいかもしれません。それをはるかに超える100億人相当の仕事をこなす。

肉体労働の主役が、人類から初めてヒューマノイドへ移るということです。ホワイトカラーの仕事は100兆個のエージェントが取って代わり、物理世界の労働はヒューマノイドが主役になる。


データセンターは3TW、電力は天然ガスから核融合へ

それを動かすためのコンピューター、チップ、データセンターはどのくらいの規模になるか。

「2040年のデータセンターの規模について明確な意見がある」という人はほとんどいません。これは難しい。しかし、この数字にどれだけ自信を持ち、そこに自分の人生とお金をかけられるか。そのくらいの自信がないと大きな賭けはできません。私は毎日考えています。

申し上げます。**3TW(テラワット)**です。

この3TWのデータセンターは、ときどき使うのではなく、24時間365日休まず稼働し続けます。GPUを回し続け、ものすごい熱を生み、ものすごい電力を食います。

では、その電力をどこから持ってくるか。当面の主役は**天然ガス(ガス発電)**だと思います。

幸い、2040年——今から15年後には、次に取って代わるのは**核融合(フュージョン)**だと私は思っています。核融合は水が原材料ですからクリーンで、ウランではないので安全です。クリーンで安全な核融合の世界がやってくる。私は心底そう思っています。

そうすると、地球の炭素問題や温暖化問題は、実は嘘のように消えてなくなるのではないか。核融合の開発には、すでにAIがものすごい助けをし始めています。だから加速して、次の決定的にクリーンなエネルギーが生まれていく。それまでの間、地球上のエネルギーの主役は天然ガスであり、それを中心に3TWのデータセンターができる。

3TWから先も、毎年1TW規模でデータセンターが増大していきます。年間1TWの増加をカーボン依存のエネルギーで賄うのは、さすがにやばい。だから地球上で核融合を中心にやるのか、イーロン・マスクが言うように宇宙で太陽光エネルギーを使うのか。おそらく両方でしょうが、私に言わせれば、宇宙に行かなくとも地球上で核融合が、より安価でクリーンで安全なエネルギーの集約になると思っています。


演算規模 ― 「クエッタ」を知らない人がAIを語るな

コンピューティングの世界はどのくらいになるか。

今の最先端は NVIDIA の GB300 です。1個で大体20ペタフロップス。これを1,000個つなぐと20エクサフロップスになります。

単位を確認しましょう。

  • エクサ=10の18乗
  • ゼタ=10の21乗(エクサの次)
  • ヨタ=10の24乗(ゼタの次)
  • ロナ=10の27乗(ヨタの次)
  • クエッタ=10の30乗(ロナの次)

3年前、私がAI業界の著名な数人に「ロナを知っているか」と聞いても、ほとんど知りませんでした。当時、ロナはこの地球上で語られている最大の桁の単位でした。その後、10の30乗のクエッタという桁がようやく生まれました。

なぜこれを言うか。2040年、3TWのAIデータセンターの世界になると、その演算能力はクエッタフロップス(FP4で)の頭脳になる、ということです。


必要な投資額 ― 年間5兆ドル

このクエッタフロップス、3TWのAIデータセンターの世界には、どのくらいの投資が必要か。これを言える人は、AI業界の専門家に聞いてもほとんどいません。考えていないのです。

インフラの世界をやるのに、15年先を考えずに語るな、と言いたい。電力を用意し、巨大な建物を用意し、必要な経営資源を用意するのに15年はかかる。鉄道や高速道路が15年かかるのと同じで、コンピューターの世界もかかる。人も用意しなければならない。だから私は真剣に考えています。

年間5兆ドル(約800兆円)の投資が必要になります。

「毎年800兆円? 嘘八百のような話じゃないか」と思うかもしれません。しかし私は自信を持って、そのくらい要ると思っています。

では、それで経営が成り立つのか。成り立ちます。冒頭に言ったように、世界のGDPの20%=年間7,000兆円の売上があるなら、毎年800兆円使っても誤差です。50%の利益は十分お釣りが来る。

つまり、払える以上には投資できない(それをやれば破綻する)。だからこそ、スーパーインテリジェンスがどのくらいの売上を代替するのか、この読みが大切なのです。売上が費用を決める。

「AIはバブルか」——とんでもない。AIは我々の生活をとことん変え、しかも収益を生む形でやるのです。

ビジョンを語るには、その根源になる収益を考えないといけない。そして、その収益を賄うインフラコストを、トータルで俯瞰して考えないと物事は見えません。

若干外れるかもしれません。でも私は私なりに自信があります。なぜなら、ずっと考えているからです。毎日考えている。データセンター、チップ、ロボット、モデルに一生懸命投資しているわけですから、真剣勝負でこの数字を考えないと、怖くてやれません。だから自信を持って賭けている。オールインしているのです。

インターネットのとき、Yahoo!、アリババ、モバイルインターネット……いろいろやってきた。「たまたまラッキーだったね」と悔し紛れに言いたい人はいっぱいいると思う。でも、たまたまで続きますか? いろんな苦難を乗り越えて、たまたまで続きますか? やっぱり考えているのです。

あのとき「もう少しやっておけばよかった」という後悔がいろいろあるから、今回のAI革命では、日本の中だけにとどまることは絶対にしない。中心であるアメリカを軸に攻めないとダメだ。今度こそ同じ轍を踏まないよう、過去のいろんな悔いから学んでやっています。


人類の進化のスピード

振り返ってみましょう。約400万年前、人類は二足歩行するようになった。手が自由になり、四足歩行に比べて不安定になったけれど、道具を使えるようになった。そこからどんどん進化した。ここまで400万年かかりました。

そして最後の5,000年間で、農業革命によって「文明」と言えるものが生まれた。産業革命、国家の誕生、法律、印刷機、蒸気機関——重大な進化があった。これが5,000年です。

しかし今度は5,000年ではありません。たった100年で、400万年の進化をはるかに超える進化を人類は遂げます。

だから3TWが必要になる。ヒューマノイドが10億体生まれる。労働が根底から変わる。さまざまな重大な発明・進化が起きるようになるのです。


自己増殖・自己進化するエージェント

スーパーインテリジェンスの進化を、もう少し掘り下げます。

地球上に生命体が生まれて約40億年。最初はバクテリアから始まりました。もしバクテリアに自己増殖の機能がなかったら、地球上に生命体は増えていない。もし自己進化の機能がなかったら、バクテリアのままで終わっていた。

たった2つのメカニズム——自己増殖と自己進化——だけで、地球上の生命体はここまで進化したのです。それ以外に何もなかった。

AIの世界も同じです。もう人間がエージェントを作る時代は終わります。エージェントがエージェントを作るようになる。つまりエージェントが自己増殖する。エージェント中心の地球になります。

エージェントが100兆を超えたら、地球上でいちばん数の多い「生命体」はエージェントになる。その知能はクエッタの世界の演算能力を持ち、人類の知能をはるかに超えていく。それが100兆個も生まれ、エージェントがエージェントを自己増殖させ、自己進化させる。この2つのメカニズムがエージェントに備わる。だから100兆で止まらず、さらに増えていきます。

人間が生命体の頂点にいた時代は終わる。超えていく。いいか悪いかは別です。いいか悪いかではなく、そうなる。そうなるとしたら、止められません。日本で止めようとしてもアメリカが動く。アメリカが止めようとしても中国が動く。止まらないのです。


共に進化する ― スーパーヒューマンへ

では、エージェント中心の地球生命体になったら、我々はどうすればいいか。それを拒否するのではなく、それと共に進化することが必要です。

共に進化するとは何か。人間もスーパーヒューマンになるということです。

そもそも人類は、ずっとスーパーヒューマンの道をたどってきました。自分が歩くより速く動けるようになった——自動車です。自分が飛べる高さより高く飛べるようになった——飛行機です。目で見るよりはるかに見えるテレビ、遠くの音が聞けるラジオ。目・耳・手・足の拡張は、この200〜300年、ずっとやってきた。

でもそれらは手足の延長に過ぎなかった。今度、初めて脳の延長ができる。スーパーヒューマンとしてのクライマックスがここから始まります。超知性が生まれる。

超知性を直接頭にくっつけることもできるでしょうし、くっつけなくても、見たり聞いたり触ったりしながら、その世界を自分の身にまとうことができる。

「AIが嫌いだ」という人は、自ら自分の進化を拒絶したことになる。自動車が嫌いな人は今の社会で生きられない。飛行機が嫌いな人は外国に行けない。進化を拒絶する者は、自らの世界を自ら閉じ込める。AIを非難する者は、天に唾しているのと同じです。

そういう時代の進化があるときは、真っ先に、喜んで掴み取りに行く。そういう人がスーパーヒューマンの世界で活躍します。


自分専用のエージェントを持つ

自らがAIエージェント化していく。自分のエージェントをたくさん身にまとい、たくさん作って、自分の思考体系・経験・見聞きし触れたものを、常に自分のエージェントに学習させ、育てていく。

「おい、自分のエージェントよ、どう思う。ここはどうすべきだ。これをやっておいてくれ」と言えば、自分自身の分身が、夜中もせっせと仕事をする。テニスをしている間も、散歩している間も、ゴルフをしている間も、自分の分身が働いてくれる。

自分自身のエージェントを持たなかったら、その人の進化は終わります。自らの知能も身体能力も、どんどん延長させていける。

労働力も同じです。自分の仕事を、自分の代わりにヒューマノイドを分身として使えば、夜中も土曜も日曜も続けてくれる。

「では人間は何をやるのか」。人間は自分がいちばんやりたいことをやればいい。いちばん感動すること、いちばん興奮すること。家族と旅行に行く、テニスをする、絵を描く。起業家になりたいならそれをやればいい。営業が好きなら営業を、企画が好きならスーパーヒューマンになりながら企画をやればいい。


AIがもたらす価値 ― たとえば健康寿命

AIで何が自分にとって良くなるか。あらゆるものが良くなります。

たとえば、AIがあなたの残りの健康寿命を90数%の確率で当てられるようになったとします。そして「あと3年」と告げられたとしましょう。この中にも年配の方はたくさんいます。あと3年で健康寿命が終わる——嬉しい人はあまりいないでしょう。

では、それをさらに10年延ばせるとしたら。3年の健康寿命が13年になる。その10年の命の価値に、皆さんはいくら払いますか。

自分、あるいは奥さん、子ども。家族の健康寿命をさらに10年延ばせるなら、生涯稼いだものの3割は払ってもいいのではないか。「5割払ってもいい」となるかもしれません。あと10年、健康で延命でき、楽しめるなら、結構払うと思うのです。

これがまさにAIの世界で可能になります。自分専用の遺伝子治療薬、自分専用の治療——パーソナライズされた医療ができるようになる。お金はかかりますが、自分のライフバリューだと思えば結構払う。そうすると、それは巨大な産業になる。それもまさにAI産業です。生存権の拡張もできるようになるでしょう。


AI活用の現在地

AI進化のロードマップとして、会社で言えばあらゆる業務を自動化し、進化させていく。

すでに今日現在の ChatGPT(GPT-5.6、私は毎日使っています)は、99%の人間の専門職の仕事をスコアで超えました

  • 診断:データさえ入力すれば、一般的な医者の99%より的確に病気を診断できる。
  • 金融・不動産・科学など、ありとあらゆる専門業種で、99%の人よりも賢くなってきた。

だから私は毎日、死ぬほど使っています。部下に聞くより早く、より詳しく、より正確に聞ける。

新薬の発見も、200倍くらい時間短縮できるようになりました。これまでは「試験管をふりふり」して、たまたま色が変わっていた、意図せず生まれた——そういう時代は終わった。AIが候補をどんどん出し、AIがロボットに命令して混ぜて回し、その中から薬の候補を絞り込んでいく。

**EV(電気自動車)**なら、「同じ電力で走行距離を1.5倍に伸ばす駆動システムを設計してくれ」と頼める。ライバルより先に1.5倍を実現できたら、いくらの価値がありますか。相当な価値です。それがもうAIでできる。仮想の世界の話ではなく、実際の業務にどんどん活用されるようになるのです。


副作用 ― AIによるサイバー攻撃

悪いことにも効率よく使えるようになりました。たとえばサイバー攻撃です。

これまでは人間が攻撃ツールを作って悪さをしていた。もはやAIが攻撃の武器を作り、手法を作り、機関銃のように攻撃をかけてくる。

実際にやってみました。我々ソフトバンクのシステム——通信会社ですから、何千というシステム、何十億行のコードがあります。ライフラインを預かる会社ですから、倒れると大事になる。この20数年間、大きな意味でのサイバー攻撃で倒れたことは一度もありません。相当真剣に作ってきたはずです。

それでも、**1万500件の脆弱性(攻撃の穴)**が見つかりました。今、せっせとその穴を埋める作業を始めています。

さらに、パッチで穴を埋めるだけでなく、30年前に作ったような古いプログラムもたくさん走っている。木造住宅のようなものですから、鉄筋住宅に置き換えなければならない——という意味で、コードの刷新(全体のオーバーホール)も、パッチワークの次に準備しています。

大企業を中心に63社、この2週間ほどでサイバー攻撃の診断をしてみました。すると1,000万行あたり280件——ソフトバンクとほぼ同じ比率で脆弱性が見つかりました。テストした会社で「まったくなかった」というのは一社もありません。みんな穴だらけです。皆さんの会社も穴だらけだ、ということです。

このサイバー攻撃ができる最先端のAIモデルは、まだほとんどの企業にはライセンスされていません。アメリカ政府がコントロールし、ほんの数社にしか与えていない。我々はたまたまその一社になったので、自らに攻撃をかけてみて、大変なことになった。

すでに、アメリカだけでなく中国の会社もこのサイバー攻撃能力を持った、とニュースに出ました(2〜3週間前)。もう防衛しなければならない世の中が来た、ということです。

我々は日本政府とも話しています。とにかく早く防御体制を取ってほしい。この2週間ほどで、人事異動によって専任の防衛部隊(第一線の体制)を急遽つくりました。この体制で、日本のインフラ系3,000社をこれから守りに行こうとしています。

このように悪いことも起きます。副作用(サイドエフェクト)です。でも大半はいいことです。健康で長生きする、生産性が上がる——AIエージェント中心の時代が来て、ロボットにも及び、あらゆる産業を変え、世界も企業も変わる。AIネイティブの企業にどんどん力が移っていきます。


Return on AI(ROA)

ROA という言葉があります。経営者ならほぼ全員知っている「Return on Asset(資産に対する収益性)」です。

しかし私の言うROAは Return on Asset ではなく、Return on AI です。

AIに投資し、AIで自分の会社を武装する。そのコストに対して、結果としてどのくらい生産性が上がったか、払う価値があったか。AIに10億円かけたら、10億円以上のコスト削減や収益アップに役立ったか——ということです。

これからは、全社がこのROAをチェックしながら意思決定していく。経営者ですから「AIをどんどん導入せよ」と指示すべきですが、同時に Return on AI をちゃんと測る。

最初は練習で、いきなり十分なリターンは来ません。新しい自動車を開発するのにも何年もかかったのと同じで、何年かは努力の時代がある。でも少しずつ芽が出て、2年目、3年目に我慢すると、ダーッとリターンが出るようになる。

だから 3年くらいのスパンで計算する。「少なくとも3年以内に投資額を超えるリターンが来る」と信じたなら、とことんやるべきです。全部門の責任者がその意識で、自社の設備投資としてAI関連のものを積み上げていく。


社長の最大の仕事 ― 「AIだ」と叫び続ける

CEO・社長にとって最も大切なことは何か。細かいことをいちいち全部チェックするわけにはいきません。社長が大切なのは、冒頭に言ったとおりビジョンと戦略です。

そのうえで一番大切なのは、社長が**「AIだ、AIだ、AIだ」と叫び続けること**です。「俺はやるんだ」「絶対にAIを真剣にやる」「我が社はAIで生まれ変わる」と叫び続け、社員をエンカレッジする。そういう思いがないと、そうはなりません。

「自分の会社はAIで進化する側に行く」「20%の側に行く」「自分の業種の中でAI化をどんどん進める」——これを言い続けることが、社長にとって一番大切な宿題です。

今日、僕から一つだけメッセージを受けて帰るとしたら、これです。生半可ではなく、新しい革命のときは、そこに全部投入するくらい、自分の人生観をガラッと入れ替えるくらいの決心をすべきだ、ということ。「自分の会社でAIだぞ」と叫び、叫び続けることが、社長にとって一番大切な仕事です。


AIを使う企業が、使わない企業から仕事を奪う

AIネイティブの企業が続々と生まれます。「負けるものか」。皆さんは自分の業種についてより深い知識を持ち、データを持ち、経験値を持っている。だからこそ、それを最大限に使えば、自分の専門業種の中では先にAIを活用できる。

業を変える必要はありません。自分の得意な範囲をとことんAI化する。社員に「徹底活用せよ」「全業務をAIで自律実行できるようエージェント化せよ」と言い、「やったのか」と毎日チェックし、毎日言う。これが大事です。

AIに仕事を奪われるのではありません。AIを使う企業に、使わない企業が仕事を奪われるのです。GDPは伸び続けます。仕事がなくなるのではなく、AIを活用する会社が、活用しない会社から仕事を奪い、塗り替えていく。

だからAIを敵とみなすのではなく、味方につける。味方につけた企業・人が進化し、スーパーヒューマン、スーパー企業になって、進化しない企業の仕事を奪っていく。

AIの世界が来たら、悲しいと思わないほうがいい。「チャンスが来たぞ」と。「俺は進化する側の企業に生まれ変わる」と。業界3位、2位の会社こそ「これで逆転できる」と思うべきです。


結論 ― 15年後を数字で描き、そこから逆算する

結論に戻ります。数字を明確に描くことです。ビジョンとは、期限と数値です。

皆さん、自分の仕事に当てはめてください。今から15年後、自分の業界はどう変わるのか。どのくらいの規模なのか。自分の業界でAIが何を、どのくらい、どのようにやるのか。真剣に考えて思い描くこと。

ビジョンとは、まるでタイムマシンに乗って10年後・15年後・20年後の世界を見てきたかのように、触ってきたかのように語ることです。そのためには考え続けなければならない。

予言者である必要はありません。あらゆる材料は毎日ニュースに出ています。私は予言者ではないので、結構調べているのです。考えているのです。魔法のように予言できるのではなく、考え、調べている。

皆さんも、自分の業界・自社の15年後の売上・利益を、明確に言えますか。あまりいないと思います。サラリーマン経営者は5年で変わる。「15年後は俺じゃない」と、結構無責任なのです。

15年後の我が社の姿を、懸命に、ありとあらゆる角度から真剣に考える。そしてそこから遡って、今何をすべきか、来年何をすべきか、5年後に何をすべきかを計算し、準備する。

「まさか今のまま業界3位・2位でいいのか」「いや、15年後には1位になるぞ、日本で、いや世界で1位になるんだ」——そのくらいの気概がなくて社長をやってはいけません。それは社員に申し訳ないと思いませんか。2位・3位の会社が1位になるという気概のない人がトップになると、社員はかわいそうです。あっという間に落ちぶれます。

僕らが20代・30代の頃、日本で雲の上の存在だった大企業が、今は続々とダメになっています。「慎ましやかに」という日本的美徳を語る——そういう人が社長をやってはいけない。慎ましやかな社長は、はっきり言ってリーダーではありません。

リーダーとは、「俺は行くんだ、ついてこい」「俺は1番になるんだ、ついてこい」と言える人です。こういう人がリーダーにならないと、日本経済はじり貧になる。この30年、日本経済の元気がなくなってきたのは、やはりこの力強さが足りないからだと思います。

これからスーパーヒューマンの時代、人類未踏の世界に行く。ということは、過去の経験値はあまり役に立たない。「先輩が言ってきたことは全部無視するくらいの気持ち」がないといけない。「先輩が言ったから正しい」——それも取って代わられます。

100兆個のエージェントの時代が来る。10億台のヒューマノイドの時代が来る。常識が変わる。変わることを前提に、15年後の自分の会社、自分の部下、自分の家族のことを真剣に考えて、今こそ準備をすべきだと思います。


むすび

いろいろ喋りました。「しつこいぞ」「大概にせえ」「あんたの思い込みはもう聞き飽きた」と思うかもしれません。でも僕は今日、本音を申し上げました。少しでもお役に立てればと思います。ありがとうございました。


元動画

繰り返しになりますが、この記事は音声書き起こしをAIで清書した概要把握用の補助資料であり、聞き取り誤りやニュアンスの欠落が残っている可能性があります。数字や主張を正確に受け取りたい場合は、必ず上記の元動画を視聴してください。

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